Ranun’s Library

書物の森で溺れかける

アミナッタ・フォルナ

『シエラレオネの真実 : 父の物語、私の物語 』アミナッタ・フォルナ

秋の夜な夜な、この本を読んでいると、 コオロギの風情ある鳴き声が、 いつしか悲痛な叫びに変化していくような不思議な感覚をおぼえました。 アミナッタ・フォルナのノンフィクション。シエラレオネの真実――父の物語、私の物語 (亜紀書房翻訳ノンフィクショ…

良いことも、悪いことも、覚えておきたい『The Hired Man』Aminatta Forna

アミナッタ・フォルナの3冊目の小説『The Hired Man』(2013) を読了。 この作品との出会いは、以前読んだ『ユリイカ:カズオイシグロの世界』 (2017) の中にありました。本作で描かれる、個人の友愛と、民族間に潜む集団的記憶が、カズオ・イシグロの『忘れ…