Ranun’s Library

書物の森で溺れかける

2022-10-01から1ヶ月間の記事一覧

『アトラス : 迷宮のボルヘス』 J.L.ボルヘス

ボルヘス晩年期の世界旅行記『アトラス』。アトラス―迷宮のボルヘス (^Etre・エートル叢書)作者:ホルヘ・ルイス ボルヘス現代思潮新社Amazon原タイトル:Atlas , 1983 本書は実に不思議である。 まさに副タイトルのごとく、迷宮の旅へのいざない。ページをめ…

城壁と書物『続審問』J.L.ボルヘス

ボルヘスは、書物と図書館をこよなく愛した人である。 そしてまたユニークな一面も持ち合わせていた方だと私は思う。 エッセイ集『続審問』(Otras inquisiciones 1937-1952) でも、そのことが節々にうかがえる。38タイトルから成るこの評論集は、おもに文学…

『シエラレオネの真実 : 父の物語、私の物語 』アミナッタ・フォルナ

秋の夜な夜な、この本を読んでいると、 コオロギの風情ある鳴き声が、 いつしか悲痛な叫びに変化していくような不思議な感覚をおぼえました。 アミナッタ・フォルナのノンフィクション。シエラレオネの真実――父の物語、私の物語 (亜紀書房翻訳ノンフィクショ…