Ranun’s Library

書物の森で溺れかける

2024-02-01から1ヶ月間の記事一覧

カズオ・イシグロの書評からたどる Uchi 論がおもしろい『水商売からの眺め : 日本人の生態観察 』ジョン・デイビッド・モーリー著

「うち」という言葉は、外国人からすると、たいそう奇妙であるらしい。関西では、おもに女性が「私」の代わりに用いたりする。他にも、うちの子に限って、うちの人、うちの会社、うちらの世代、、、など、老若男女、津々浦々、よく耳にする言葉ではないだろ…

珠玉の文学的遺書:ボルヘスの『シェイクスピアの記憶』

昨年末出版されたばかりの「シェイクスピアの記憶」は、ボルヘスによる最晩年の作品。 「文学的遺書」とも呼ばれている。 数多ある短編のなかで、唯一翻訳されていなかった作品だと知り驚いた。 本邦初邦訳ということで、大変ありがたく読ませていただいた。…