Ranun’s Library

書物の森で溺れかける

J・M・クッツェー

『スペインの家』J・M・クッツェー

クッツェーの短編集を読みました。他人の趣味や行動が気に入らず、ぶつくさ文句を言っていた人が、気づいたら自分がハマっていた。みたいなことって、ありますよね。第一話「スペインの家」はそんなお話です。 スペインの家:三つの物語 (白水Uブックス)作者…

『ポーランドの人』J.M.クッツェー

クッツェーにはまりつつある。 最新作『ポーランドの人』は、一風変わった大人の恋物語。 文体も新鮮で、最後の最後までおもしろい! 以前読んだ『夷敵を待ちながら』( 1980 ) や 『マイケル・K』( 1983 ) とはずいぶん違うなあという印象。 原タイトル The …

『マイケル・K』J.M.クッツェー

クッツェーの小説を読むのは『夷狄を待ちながら』 Waiting for the Barbarians (1980) に次ぐ二作目だ。悲惨なのに目を背けることができない、読む手が止まらない、主人公の個性が強烈な印象を残す、といったような感想は二作に共通する。1983年にブッカー賞…