Ranun’s Library

書物の森で溺れかける

2024-05-01から1ヶ月間の記事一覧

『マイケル・K』J.M.クッツェー

クッツェーの小説を読むのは『夷狄を待ちながら』 Waiting for the Barbarians (1980) に次ぐ二作目だ。悲惨なのに目を背けることができない、読む手が止まらない、主人公の個性が強烈な印象を残す、といったような感想は二作に共通する。1983年にブッカー賞…

ひとり旅のおともに『The Summer We Cross Europe in the Rain』Kazuo Ishuguro

いよいよ届きました『The Summer We Cross Europe in the Rain』。 先月発売されたばかりの本作は、世界をまたにかけた魅惑な一冊。英国作家カズオ・イシグロが、アメリカのジャズシンガー、ステイシー・ケントに創作した16曲の歌詞、そしてその世界観を、イ…