Ranun’s Library

書物の森で溺れかける

2024-06-01から1ヶ月間の記事一覧

そうだ、山の音、聴きにいこう

「一日一度は山に入ることをお勧めします」 これは私がよく視聴する動画、大愚和尚の一問一答/Osho Taigu’s Heart of Buddha - YouTube で大禺和尚がよく言われている言葉です。 自然の中に身を置くと、いろいろな刺激や気づきが得られます。 森林で風にあた…

『スペインの家』J・M・クッツェー

クッツェーの短編集を読みました。他人の趣味や行動が気に入らず、ぶつくさ文句を言っていた人が、気づいたら自分がハマっていた。みたいなことって、ありますよね。第一話「スペインの家」はそんなお話です。 スペインの家:三つの物語 (白水Uブックス)作者…

人生の秋を生きるということ

私には、とっても素敵な友人がいます。いつも(ときどき?)私のことを思い、祈ってくれる。何年も会わなくても、昨日も会ったかのように話せるお姉さん。話すとなぜか、いま生きていることがうれしくなる。キラキラした、尊いひと。そんな彼女が先日、ご友…

『ポーランドの人』J.M.クッツェー

クッツェーにはまりつつある。 最新作『ポーランドの人』は、一風変わった大人の恋物語。 文体も新鮮で、最後の最後までおもしろい! 以前読んだ『夷敵を待ちながら』( 1980 ) や 『マイケル・K』( 1983 ) とはずいぶん違うなあという印象。 原タイトル The …

『センスの哲学』千葉雅也

センスとは、上手よりヘタウマである!という面白い本を手にしました。センスのいい人、会話のセンス、おしゃれのセンス、芸術のセンス、ざまざまに使われるセンスとは何か、そしてセンスを活かすにはどうすればよいかということを、本書は芸術的な側面から…

小津安二郎の映画『晩春』にみる「女たち」

先日「カズオ・イシグロ読書会」の2回目に参加してきました。『遠い山並みの光』(A Pale View of Hills , 1982 ) を原文で読んでいますが、第二章は、なかなかツッコミ所が多くて刺激的な会でした。 前回もうっすら感じましたが、原文オンリーな若者たちと…