Ranun’s Library

書物の森で溺れかける

大江健三郎とカズオ・イシグロの対談(1989)

もう2年ほど前になりますが、このブログで「カズオ・イシグロ × 大江健三郎 対談レポート(前篇~後篇)」と題した記事を、三回に分けて書きました。


1989年に行われた対談の、拙訳と感想が主でしたが、現在全て消去しています。すでに日本語訳が雑誌に掲載されていたことを知ったからです(遅かった、、汗)


ですが、当該記事に訪れる人が後を絶たず、もう読めないのにブックマークを残してくださる方もおられます。ありがたいやら、申し訳ないやら、、、。


それだけ著名人お二人への関心が高いということでしょう。もちろん今年は、大江健三郎さんの没年の年でしたので、その影響もあると思います。


今回はせめて、その日本語訳が掲載された雑誌を、ご案内したいと思います。
『国際交流』14-1 (53) ,1990年6月
「21世紀へ向けて」P.100~108 


こちらは国立国会図書館デジタルコレクションで閲覧可能です。


閲覧方法は4つ。
国立国会図書館へ行き、PC端末で閲覧。
②お近くの公共図書館、又は大学所属の方はその図書館へ行き、PC端末で閲覧。
(対応していない図書館もあります)
国立国会図書館の利用者登録をして、自宅のPC、スマホで閲覧。
(個人送信サービスといいます。印刷も可能)
国立国会図書館の利用者登録をして、自宅から複写申し込みをする。
(自宅へ届く)


くわしい書誌情報と閲覧方法はこちらでご確認ください。
dl.ndl.go.jp


利用者登録はオンラインでできます。
一度利用者登録してしまえば、今後いつでも利用できるし、なにかと便利だと思います。
www.ndl.go.jp


ちなみに「国立国会図書館デジタルコレクション」の対象となる資料とはいったいどんなものなのか、国立国会図書館ホームページより引用します。


○デジタル化資料約343万点のうち、入手が困難であることが確認されたもの約184万点。
○1987年までに受け入れた図書約85万点、明治期以降発行の雑誌約82万点など。
○送信資料は毎年1月に追加


*****


さて、この対談が行われたのは1989年(大江健三郎54才、カズオ・イシグロ35才)です。奇しくも、共にノーベル文学賞を受賞される前ですので、かなり興味深い内容になっています。若き時代の自由な発言は必読です!しかも、お二人の想像する未来が、過去になっているという不思議な感覚。


テーマは主に「21世紀を担う世界作家としての役割」ですが、その他にも、お二人の生い立ち、互いへのリスペクト、独自性の評価、また三島由紀夫についてや、カズオ・イシグロホームレス作家について、など盛りだくさんで、読み応えたっぷりです。


是非、一読されてみてはいかがでしょうか。


原文はこちらに掲載されています
 ”Conversations with Kazuo Ishiguro ”(2008 )
The Novelist in Today's World: A Conversation
Kazuo Ishiguro and Kenzaburo Oe / 1989(pp.52-65)