Ranun’s Library

書物の森で溺れかける

フランス文学

「素朴な人(純な心)」フローベール『三つの物語』より

「素朴な人」(または「純な心」Un cœur simple )は、 『三つの物語』(Trois Contes)に収録されている短編小説である。 「聖ジュリアン伝」(La Légende de Saint Julien l'Hospitalier)と 「へロディアス」(Hérodias)の3つが含まれていて、 いずれも…

J.K.ユイスマンス『ルルドの群集』

フランスの田舎町、ルルドをご存じだろうか。 ピレネー山脈のふもとにあるこの町には、かつて聖母マリアが出現したといわれる洞窟がある。現在もカトリック教徒の巡礼地として知られ、世界各国から訪問者が絶えることはない。 ことのはじまりは1858年、この…

デカダンス文学の奇作!!『さかしま』 J.K.ユイスマンス

とんでもない文学に出会ってしまった。 J.K.ユイスマンスの『さかしま』 さかしま (河出文庫)作者:J・K・ユイスマンス河出書房新社Amazon 原タイトル : À rebours, (1884 , フランス)A Rebours by Joris-karl Huysmans (Folio (Gallimard))作者:Huysmans, …

巨人族の滑稽譚『パンタグリュエルとガルガンチュア』 by フランソワ・ラブレー

・・・正直なところ、ここで学ぶものといったら、 笑いをのぞけば、ほかに利点はございません・・・ 著者ラブレー自身のお言葉。 いきなりこう宣言されたら、なんだか力が抜けちゃいますね。 時にシュールで、時にお下劣な「痛快ほら話」、確かに笑い飛ばす…